「平和のうちに生存する権利」と憲法9条 〈平和は一番の人権〉 昭島市議会議員 おおたけ貴恵(たかえ)
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2008 年 9 月 28 日    
「平和のうちに生存する権利」と憲法9条 〈平和は一番の人権〉
〜国分寺・市民憲法教室第5回講義より〜
 国分寺・市民憲法教室の長〜い!夏休み明けの講義が始まりました。横須賀には原子力空母ジョージワシントンが入港、国政はなんだか次期衆議院選挙をにらんだ票とり合戦のような有様・・・。今回は、憲法9条を中心とした講義です。2ヶ月ぶりの只野雅人先生の講義は、切れ味があり、論理的で、目からウロコ、非常にわかりやすかった。
写真上、後半の講義は受講生提供の憲法ネタを持ちより、議論します。〜今回4・17イラク派兵意見判決・判決文全文の紹介がありました。

◆近代立憲主義の戦争の考え方
 近代の立憲主義は、国家が軍事力を持つことは否定していない。国家は人権を守るためにある。そのためには、秩序、ルールが必要。それを守るために、警察力や軍事力をもつ。そして、警察力、軍事力が行き過ぎないように憲法で縛りをかけています。近代立憲主義の中で、戦争は否定してこなかったのです。変わるきっかけは、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経験するごとにひどい人権侵害が行なわれてきました。
 1928年のパリ不戦条約では、「国際紛争解決のため」「国家の政策の手段」の戦争は禁止。自衛のための戦争は認めました。国連憲章では、「武力による威嚇または武力の行使」は禁止しました。例外は2つ。一つは、国連軍。二つめは、51条にある個別的または集団的自衛権。
 以上が国際法上のルール。戦争をするには、正当な理由がなければならない。通常は軍隊をもつことは、憲法に規定しています。法律で規定すると時の政府で書き換えられるからです。近代立憲主義は、軍隊を予定しているのです。

◆憲法9条の解釈
 憲法制定時、一項と二項は逆でした。二項に「前項の目的を達するために」を入れたことで、自衛の戦争ができると解釈できるようになりました。制定過程において、帝国議会で共産党の質問から吉田茂は、(後に撤回するものの)「正当防衛を認めると云うことそれ自身が有害である」と発言しています。制定過程の時の政府の議員は、その後の解釈まで考えていなかった。しかし官僚は、「前項の目的を達するために」をいれることの意味の重要性に気づいていたのではないだろうか。戦後、警察予備隊、保安隊、警備隊、自衛隊と組織されてきました。現在政府の解釈は、自衛隊を「自衛のための必要最小限度」の実力とししてきています。戦車は、特殊車両と解釈!?
 そもそも自衛のための戦争とそうでない戦争の区別はつくものではないと思う。
 今、国民の安全を守るために、有事法制ができました。これは「公共の福祉」に反しないと政府の見解です。また自衛権を認めてきたから、政治的な判断で特措法も制定されました。
 そのような中、2008.4.17の名古屋高裁の判決は画期的です。自衛隊のイラク派兵は憲法9条1項に違反する。違憲判決がでました。前文の「平和的生存権」から具体的な権利性も認めました。

 さて憲法9条をどのように評価するか。時の政府の無理な解釈によって、憲法9条がゆらぎ、さまざまな法律を作ることをこれ以上許して良いのだろうか。もうすぐ国政選挙。私たち一人ひとり真剣に考えねばならないと思う。自衛のための戦争をよしとするのかどうか。現在世界の27カ国が軍隊を持たないことを決めたらしい。日本も考えてみてはどうだろうか。



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